4月25日の署名提出にあたり、資料として届けたメッセージを紹介します。
リプロ・リサーチ実行委員会メンバー
おざわじゅんこ・きくちさかえ・白井千晶・寺本裕美子・西川直子より
【生まれる・産む・死ぬ、これらは一回きりだけで、やり直せない体験です。
私たちがその瞬間にどのようなケアを受けるのか、それは私たちが生きている社会が何を大切にしているのかを如実に表します。いま、新型コロナ感染予防対策の名のもとに、ひとりひとりのかけがえのない体験がないがしろにされています。
身体に起こることを自分で決めるのは、私たちがみんな持っている権利です。それが尊重されない、医療暴力が世界中の産科ケアにありました。そして傷ついた女性と家族の声と、女性たちと助産師の連帯が産科ケアを変えてきました。日本でも必ずできます。エビデンスと女性の声を尊重した医療に向けてともに声をあげましょう。】
(岡山出身・イギリスの助産師 おざわじゅんこ)
【新しいいのちが生まれるその瞬間に、日本の女性たちは産科医療の中で尊重されているでしょうか。赤ちゃんたちは、生まれてすぐに母親と引き離され、父親は分娩室の中に入ることができないだけでなく、入院期間中、わが子の顔を見ることもできません。
これはCOVID-19の陽性者だけでなく、多くの陰性の女性や家族が受けている産科医療ケアの現状です。
国は少子化対策をうたいながら、一方で感染対策の名の元に産む人、生まれる人とその家族の人権が無視された出産・育児の実情に目を向けることを避けています。
産む女性と生まれる人、その家族が人として尊重されるケアを提供する環境について、産婦人科学会のみならず、社会全体で議論し、改善に向けて厚労省はガイドラインの修正をお願いいたします。】
(クリエイター、立教大学兼任講師 きくちさかえ)
【コロナ禍の妊娠、出産について、WHO、FIGOなど世界のガイドラインとの乖離は甚だしく、避妊や人工妊娠中絶など他のリプロダクション領域と同様、「ガラパゴス」だと揶揄されるでしょう。根拠のない医療介入、それによる母子や家族への悪影響、医療資源の無駄遣い、感染リスクの増大、包括的な議論や見直しの場の不在は、国際的に問題になるだろうと思います。
さらに、この問題への対処は、今後の日本における妊娠出産、産科医療、母子保健のあり方を左右するものだと思います。政府、行政、医療専門家、妊娠出産当事者やその家族、どの立場の人も、今一度、本来したかったことを考えていきましょう。】
(静岡大学人文社会科学部教授 白井千晶)
【医療現場のみならず日常生活においてもさまざまな制限が生じている状況だからこそ、利用者の人権に基づいたケアや医療の構造をより意識する必要があります。
産科ケアにおいて、ケアを受ける女性や助産師などの声が対策に反映されない仕組み、女性が主体的にお産に臨むことができない構造や環境があることは、女性の心身の健康に大きく影響しています。もっと当事者のためのケアとなるよう、早急な改善を求めます。】
(スペイン在住ドゥーラ・月経教育者 寺本裕美子)
【1月から11年ぶりに日本に住んでいる元助産師です。日本、タイ、スペイン、イギリスでの出産・育児の経験から、日本において妊産婦・母親、そして子どもが真に大切にされているとは言えない状況を改革したいと考えています。
コロナ禍での、スペイン・イギリス在住女性と、日本在住女性の出産の状況を聞いたときに大きな違いがあったことに日本の現在の周産期システムに強い危機感を覚えました。この署名とアンケートの声をしっかりと読んでいただくことを願います。】
(せかままcafé代表・出産ケア政策会議事務局 助産師 西川直子)
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